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観光 2023.12.01

見事な曲線が美しい 世界遺産「座喜味城跡」

ライター

木内 清佳

東京都出身。沖縄の音楽と海に魅せられ、気付けば沖縄在住20年以上。ダイビングインストラクターを経て、現在は保育施設を複数経営。心も身体もたくましい「野生児」のような子ども達の育成を目指し、子どもたちに沖縄の海の楽しさを伝える仕事に従事している。

城壁や城門の石積みの精巧さや美しさは沖縄随一の城

座喜味城は15世紀初めに築城家として名高い護佐丸によって築かれました。護佐丸は読谷山地方を納める按司でしたが、石積みの工夫によって強度と曲線美を備えた城壁を築いたことで、築城家としての声価を高めたとされています。護佐丸は座喜味城に18年間居城し、中国や東南アジアとの海外交易で、当時の第一尚氏王統を支えたとも言われています。

※按司(あじ)とは地方支配者のことで、今でいうと市町村長にあたります。

見どころは琉球最古のアーチ門と石の積み方!

城は二つの郭からなる連郭式の形態になっており、一の郭と二の郭にはアーチの門がそれぞれ造られています。アーチの部分には他のグスク等では見られない「クサビ石」がはめ込まれています。これは沖縄で現存するアーチ石門としては最古のものとされています。

門以外の城壁部分も、場所によって石の積み方に様々な技法が用いられており、県内のグスクの主要な石積技術を全て見ることができます。積み方に着目してみるのも面白いです。

そしてこのなだらかで優雅な曲線を描く城壁は「続日本100名城」にも選ばれています。

城壁の上から見渡す景色は城の主になった気分!

奥にある一の郭まで進むと、城壁に登ることができます。城壁は大人が5~6人ほど並ぶことができるほどの厚みがあります。標高125m程の丘陵に立地しているこの城は、城壁の上に立つと読谷村を一望できるばかりではなく、東シナ海に浮かぶ慶良間諸島や伊江島までも眺望できます。

世界遺産に登録された沖縄を代表する文化遺産の地

座喜味城跡は2000年12月に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産にも登録されました。「琉球王国のグスク及び関連遺産群」は5つのグスクとそれに関係する4つの遺産からなり、15世紀~19世紀まで続いた琉球王国を代表する遺跡とされています。

なお、世界遺産として登録されているため、敷地内での喫煙は禁止されています。またゴミ箱も設置がありませんので、必ず各自で持ち帰りましょう。

広がる自然が時をタイムスリップさせてくれる

琉球松が生い茂る遊歩道は、真夏の時期でも強い日差しを遮り、心地よいです。
夏場はセミの大合唱に耳を澄ませ、歴史に想いを馳せながら公園内を散策するのもまた良いものです。

歴史が学べるユンタンザミュージアム

座喜味城公園には、座喜味城跡の他に、読谷村立歴史民俗資料館・美術館「ユンタンザミュージアム」が併設されています。3階建ての施設には有料のエリアと、無料で観覧できるエリアがあります。

1F展示室に世界遺産・座喜味城跡や読谷で育まれた自然・文化遺産を展示。2F展示室は、考古・民俗・自然・沖縄戦について展示を行っており、3Fは美術館となっています。

館内には多言語のパンフレットも設置されている他、タブレットの貸し出しも行っており、琉球王朝時代から大正・昭和までの読谷村の歴史を、展示品とリンクしたアプリを使って、多言語で見ることができるサービスもあります。

豊かな自然が織りなす景観に癒される

ユンタンザミュージアムと反対側にある北駐車場近くにある展望台も、眺めが良くオススメスポットです。東シナ海に夕陽が沈むサンセットタイムに行くのも良いですね♪

INFORMATION

施設名・場所名
座喜味城跡 / ユンタンザミュージアム
住所
沖縄県中頭郡読谷村座喜味708-6GoogleMap
営業時間
9:00~18:00(入館は17:30まで)
料金
公園は無料
ミュージアムは無料スペースと、有料スペースあり
村外 個人(幼児:無料 / 小中学生300円 / 高校生以上500円 /65歳以上400円)
Wi-Fi
なし
多言語対応スタッフ
なし
多言語表示
あり(ミュージアム内に設置)
英語・簡体(中国・シンガポール・マレーシア)・繁体(台湾・香港)・韓国語